バンコクはとにかく暑い!
太陽が近い!
お坊さんとバイクが多い!
そして、すっぱい匂いがする!
駅から公共のバスにのってカオサン付近で降りる。
当然、ドライバーや切符売りのお兄さんに近くにきたら声をかけてくれるようにお願いしたんだけど、伝わっていなかったらしく、終点から折り返すはめになってしまった。
なんで聞いた時に頷いたんだよ・・・。
タイの英語の通用度はマレーシアに比べると低い。
バスから降りて、ホテルを探す。
少し歩くだけで旅行者の雰囲気がマレーシアとここでは違うことに気づく。
タイには開放感がある。
どういうところでそれを感じるかというと、マレーシアでは他の旅行者とコミュニケーションをとることがほとんどなかったけど、ここカオサンでは地図を持ってうろうろしていると誰かしら寄ってきて道を教えてくれる。
金曜日はどの国の安宿街も観光客でごったがえしている。
なかなか予算内でおさまるいい部屋が見つからない。
ようやく、カオサンロードまで15分くらいのところに宿をとった。
辺りはカオサンの喧噪からは離れていて、落ち着いた雰囲気がある。
荷物を置いてさっそくカオサン見物に出かける。
さすが、バックパッカーの聖地。
タイ人よりも外国人の方が多い。
タイの日常生活は見えない。
フルーツや焼きそばを売る屋台、トライショーのドライバー、マッサージのソファが通り沿いにズラーっと並び、すごいカオスだと唖然としていると、食用サソリを売る行商とぶつかる。
ラグジュアリーなカフェやレストランの通りに面したテーブルは欧米人でいっぱいだ。
カオサン通りは観光客を中心に全てが回っている。
そして商売人の熱心さには舌を巻く。
せっかく王国に来たんだから王宮を見たい。
カオサン通りには夜にまた来よう。
大きな通りに出てトゥクトゥクをつかまえる。
タクシーにしろ、バイクタクシーにしろ、トゥクトゥクにしろ、東南アジアのプライベートな乗り物はドライバーとの値段交渉から始まる。
日本人はまず現地価格では乗れないと思っていい。
さらに言うなら現地価格、外国人価格、そして日本人価格すらあるといえる。
彼らは日本人を一目で見分ける。
交渉で向こうの言い値の半分までディスカウントさせることが出来たら合格点だ。
王宮までは言い値の四分の一まで下げることが出来た。
ところが王宮の入り口まで着くと、すでに閉門の時間を過ぎていて中には入れなかった。仕方ないので帰ろうとするとおじさんが近づいてきた。
「君、王宮に入れなかったんだろう、残念だったな、川の向こう岸にある寺院ならまだ間に合うから行ってみるといい」
「本当ですか?行きたいです」
「そうかい、それなら是非ツアーに参加しなさい。辺りをぐるっと回って色々見れるよ」おじさんはトゥクトゥクをつかまえて値段交渉までしてくれた。
60円。破格だ、さすが地元。桁が一つ違う。
「これに乗れば対岸までの船が出るポートまで行ってくれる。気をつけてね、君は明らかに外国人だから。受付で高めに請求されるかもしれないけど、きちんと交渉して下げるんだよ。正規の値段は4500円だから」
おじさんと握手をしてトゥクトゥクに乗り込む。
ドライバーがアクセルをかけるとブオ〜ンとトゥクトゥクが走り出した。
なんかひっかかる。
タイで4500円とるツアーなんて考えられない。
地球の歩き方を開く。
そこには「ワットアルンある対岸に渡る船が9円でポートから出ている」とある。
こりゃはめられてるな。
ポートに着くと若いあんちゃんが近づいてくる。
案の状、ツアーに参加するようにプレッシャーをかけてくる。
高すぎるというと1000円単位で値下げしてくる。
まともな商売をしていて、こんな大幅な値下げなんてありえない。
ツアーはいらないから向こう岸に渡るのはいくらか聞くと、そんなのは知らない、という。
ちょっと考えると言ってそこを去った。
しかし、どうやら王宮前のおじさんはやり手らしく、次から次に観光客を乗せたトゥクトゥクがポートにやってくる。
しかし、どうやら王宮前のおじさんはやり手らしく、次から次に観光客を乗せたトゥクトゥクがポートにやってくる。
9円で向こう岸に渡れることを教えてあげようかと思ったけど、高いかどうかを判断するのはそれぞれの判断なのでゆだねるべきなのでやめた。
付近の人に聞いて、30分後に正規のポートに着いた。
地元の人と同じ値段を払って船に乗る。
吹きさらしの船が川を滑り出す。
水は濁っているけど、船が水をかき分ける音は心地いい。
5分くらいで対岸に着いた。
そこには外壁を陶器のモザイクで埋め尽くした寺院がそびえ立っていた。
とても堂々としていて迫力がある。
建築物というよりも生き物のようだ。
これが立てられた時にやはり王と仏教の権力を表すためにここまでの装飾がなされたんだろうけど、何百年後の今日でも見る人を圧倒するっていうのは、人間には共通して持ってる美意識みたいなものがあるからなんだろう。
寺院はお金を払うと階段で上に昇れる。
激しく急な階段を昇ると周辺の町並みが一望できた。
夕暮れのグラデーションがバンコクの奥で始まっている。
太陽は丸く、落ち着いた光を放つ。
その輪郭があまりにはっきりしているので、空に張り付いているようだ。
45日間のアジア旅はすでに後半だ。
こういう美しいものを見逃さないように大切に残りを歩みたい。
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