2013年3月12日火曜日

インドネシア:バリ島Kintamani高原 ネコの糞からつくるコーヒーに挑戦!そしてKIntamani最後の挑戦!




Kintamani高原からの絶景をなんとか拝みたい。
Kintamani高原はクレーターの尾根のようになっていて、クレーターの中にMt,Baturと湖がある。
観光客は尾根をツーリングするといろんな角度からMt.Baturと湖を見下ろせる。

最初にトライしたのが転んだ日だった。
その日は霧がかかっていて、そこから見えるはずのMt.Baturを見ることはできなかった。
それからもう一度トライしたけど雨期のバリの天気はさえない。ダメだった。
市街地で晴れていても山間部の辺りは雨が降る。
あきらめようかとも考えたけど、バリを出る前にもう一度だけトライすることにした。

UbudからKintamani高原までは一本の道を一時間半ひたすら北上する。
道の両脇の景色が紙芝居のように変わっていくのが楽しい。
工芸品の工房。棚田地帯。伝統的なバリ村。ジャングル。
所々、道が陥没しているのでドライバーのよそ見は命取りだけど、人の後ろに乗ってツーリングしたら楽しいだろう。


(Kintamani高原に行く途中で見える棚田の絵)

Ubudを出発して1時間。
Kintamani頂上から周辺数キロ辺りの場所で霧が立ちこめてきた。
でもかろうじて先が見える。このこれ以上曇らないことを願って進む。
カフェの前に座る人々がいる。
彼らは、俺がその前を通ると声をかけてきた。
聞こえない振りをして突っ切る。客引きに決まってる。
彼らのうちの一人がバイクで追ってきた。
あっという間に追いついて、もう並走している。
ヘルメットはしていない。年の頃50歳。
なにか叫んでいる。
「ポリシーポリシー!
何だ?
「ポリシーポリシー! フォーリナー ノー!」
ポリス、外国人ダメと言っている。
バイクを止めて話を聞く。
この先で警察が国際免許のない外国人を取り締まっているとのこと。
だからしばらくうちのカフェで待った方が良いとのこと。

バリでは暗黙の了解で、免許がなくてもバイクの運転ができる。
しかし、警察は目を光らせている。
法の番人としてではない。
違反を見つけると見逃す代わりに賄賂を求めてくる。
その常習制は、バイクを借りる時に賄賂の相場まで説明されるくらいだ。
その相場は、地元人は100円、外国人は500円。
だから、バイクに乗る外国人はみんなポケットに500円くらいのお金を入れている。

おっちゃんについていくことにした。
案内されるままに戻り、敷地にバイクを停める。
カフェは道路から見えない。
小さな看板とその奥にアーチがある。
アーチをくぐると果樹園が広がる。
ランダムに植えられた植物の中を、低い柵の小道が延びる。
気持ちのいいところだ。
おっちゃんは先を歩いて、目についたフルーツをとって食べさせてくれる。
俺は始めてコーヒーやカカオの実を見た。
カフェは100mくらいその小道をすすんだところにある。
茅葺き屋根で中は木造のしゃれたつくり。
入ってすぐ釜があって薪でコーヒーを煎っている。
なんて贅沢。
表参道でもこんなカフェない。




カフェの中にある檻の中でジャコウネコが寝ていた。
おっちゃんは家族でこのジャコウネコの生態を利用したコーヒーの製造・販売をしている。
日本ではこのコーヒーをイタチコーヒーと呼ぶ。
イタチコーヒーをネットで検索するとこんなことが出てくる。

「イタチコーヒー」
世界でもっとも高価なコーヒー
売値は100グラムで10,000円。
世界各地でつくられていて、それぞれ呼び名が違う。
製造方法:ジャコウネコがコーヒーの実を食べると果肉の部分だけ消化して、種の部分は消化されずに排泄される。糞として出てきたコーヒー豆はジャコウネコの消化器官で発酵されている。これを洗浄、乾燥、焙煎してイタチコーヒーは出来上がる。特別な香りがする。」
特別なかおり・・・。
ふぅ〜ん。
糞ぅ〜ん。
一杯500円とバリではかなり高価だけど、いただいてみることにした。


注文してから10分ほどでコーヒーが出てきた。
濃い色をしている。
一口すくって口に運ぶ。
うまい。香りもいい。
ただ、どの辺がジャコウネコなのかは俺には分からない。

おっちゃんたちはコーヒ豆の購入を勧めてくれたけど、俺のバッグパックはすでにパンパンで、チョコレート一枚入れる隙間もない。
日が暮れる前にKintamaniに行きたかったので、さよならをしてカフェを出た。



カフェを出て10分。
Kintamani高原に着いた。
Mt.Baturがかすかに見えるけど、裾野までは見えない。
またか、残念だ。
近くにBatur寺院という有名な寺院があるからそこにいってみる。
Batur寺院に着いてすぐ雨が降ってきた。
境内で雨宿りする。
雨はどんどん強くなっていく。
すぐに風が吹いて嵐になった。
ここは標高およそ1000m、黒い雲が頭のすぐ上を流れていく。
雷が鳴る。
ヒマなので、空が光ってから音が鳴るまでをカウントして落雷地点をはかる。
2,3個の雷が1km以内に落ちた。
少し不安になってきた。
稲妻がバシバシ地面に突き刺さる。
寺院は結構高さがある。ここも落雷する可能性がある。
水たまりは足下まで広がっている。
落雷した時に水の上にいては危ない。
奥まったところに渇いた地面を探してそこに留まった。

嵐は1時間ぐらいで弱まった。
雷も遠のいていく。
雲の切れ間から光が差し込む。
差し込んだ光が森をところどころ照らす。
寺院から見下ろす緑のカーペットがまだら模様になった。
絶景だ。神々しい。
バリの人々がここに神が住むと信じるのもうなづける。

境内から出ることにした。
バイクに乗って帰路につく。
またいつ天気が崩れるか分からない。
開けた場所に出てMr.Baturの方を見ると、山が姿を現していた。
雨が霧を消した。
景色は少し霞んではいるけど、遠くまで見渡せる。

ついにMt.Baturを見たぞ。
これで心置きなく次の場所に行ける!

(写りは良くないけど、嬉しい一枚!)

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