2013年3月24日日曜日

タイ:セックス産業について




何で読んだのか覚えていないけど、タイを訪れる日本人男性の7割が買春をしているらしい。
カオサンロードなどで会った日本人と話をすると、やはりそのくらいかそれ以上だと思う。
買春と聞くと、お金のある中年男性が若い女の子を金で買うのをイメージするけど、案外、旅行で来てる大学生がグループで歓楽街に出かける話をよく聞く。
つまり彼らがバイトで稼いだ金で行けるくらい、タイの買春相場は安いという事だ。
ネットで調べると高くても10000円、安いと3000円程度で本番行為が可能とのこと。
日本の相場の3分の1程度のようだ。

売買春については賛否両論。
国によっては合法化されているところもある。
下の地図は世界の売買春の法律を色分けしたもの。

赤は違法、緑は合法、青は条件を付けて合法。
これを見るとヨーロッパの先進国に合法化の傾向があるのが分かる。
東南アジア全域は赤。
しかし違法としている国でも、婚前SEXを認めないイスラム国家であるマレーシアでさえ買春街が存在する。
こうした場所には店側と警察との裏取引がある。

タイのセックス産業はこんなにも有名だけど、タイも違法だ。
GDPのうち約9%を占める観光業とセックス産業が密接に関わっているために、タイ政府もあまり踏み込まないのだろうか。

こうした外国での売買春について俺は反対派だ。
賛成派の意見では、お金が必要な人が金を稼ぐ手段だとか、職業選択の自由だとか、人類最古のビジネスだとか、色々ある。
それはそれで分かるんだけど、この発想は買う側の自己弁護だ。
売る側の本心や、売るに至った背景があまり加味されていない。
タイのセックスワーカーの9割が「十分なお金があればこの仕事を辞める」という。
もちろんやりがいを持って仕事に取り組んでいる人もいるけれど、お金がなくて、もしくは贅沢がしたくて人が体を売るという構図は、資本主義・物質主義による強姦のように思える。

タイのセックスワーカーの出身地で多いのが北部と東北部だという統計がある。
約8割がこの地域の出身だ。
この辺りは貧しい。
貧しいから出稼ぎにくる。
貧しい人がセックス産業を使う。この流れは「ビジネス」かもしれない。
ただ、貧困とセックス産業がパイプでつながると、その流れは逆流する可能性がある。
セックス産業が貧しい人を使う。この流れは「人身売買」につながる。
貧困国では借金のカタなどに少女が売られ、レイプや暴力を受けたという報告がたくさんされている。日本でも、何年間も売春を強要されていたアジア人女性が支配人を殺害する事件が起きている。

http://www.npo-gina.org/pasd/GINA/sub4-p.htm

俺は日本人が日本の風俗に行く事になんとも思わない。
タイ人がタイの風俗に行くのもいいと思う。
でも、豊かな国の通貨が、貧しい国の産業に与えるインパクトはあまりにデカイ。
先進国の人々が歓楽街に支払う「円」「ドル」「ユーロ」の魔力が、人身売買などのセックス産業の闇の部分の拡大に影響している事は間違いないと思う。





俺が外国での売買春に反対な理由はもう一つある。
HIVの脅威。
下の地図は世界のHIV人口比を表している。
(このリンクからジャンプすればもっと大きな地図を開ける。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2260.html)


赤がセックスワーカーのうちHIV感染者の割合。
青が男性間行為者のうちHIV感染者の割合。
緑がドラッグ注射者の割合。
棒グラフの長さではなく、ぜひ上のリンクを開いて数字を見て欲しい。
どれぐらい海外での売買春が危険かがよく分かる。
タイのセックスワーカーのHIV感染率はここには出てこないけれど、別の統計では週20人以上客を取るタイのセックスワーカーの67%がHIV感染者という数字が出ている。
2〜4人の客を取るワーカーでも30.8%だ。
(http://www.npo-gina.org/pasd/GINA/sub4-F.htm)
これはもの凄い数字だ。

HIVは現代では死なない病気だと楽観視する声もあるけど、実際にHIVになりたいかというと、絶対になりたくない。
日本に比べて金額が安いからと、途上国で売春をするリスクは、その対価に比べてあまりに大きすぎる。
UK国籍の異性愛者のHIV感染者のうち69%が海外で感染していて、そのうちの22%がタイで感染したという。(http://www.npo-gina.org/pasd/GINA/sub4-F.htm)
決して脅すつもりはないんだけど、もしも過去に経験がある人がいたら、性病検査を受けてほしい。保健所など無料で匿名で受けれる。
性病検査は日本ではあまり馴染みがないけれど、俺の友人は半年に一回くらいの割合で定期的に受けている。


今回少し固い話になった。
タイのピンポンショーを見てからいろんな疑問が湧いたので、web上の資料を読みあさってみた。
売買春についていろんな考えがあると思う。
もしも今回の投稿で気分を悪くする人がいたら、俺の個人的なメモだと思って欲しい。

最後まで読んでくれてありがとう。


2 件のコメント:

  1. HIVの話、とても共感できます。
    性病に関してはやはり、最低でも一年に一回権益を受けるべきだと私も思います。

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