2013年2月9日土曜日

マレーシア クアラルンプール バトゥ洞窟


アジア旅2日目
am9:00、ネットに接続するためにスタバに行った。
スタバの店員さんがとてもフレンドリーで嬉しくなった。
タイへのルートやお勧めの観光地などを教えてもらって、始めて現地の人とコミュニケーションを取れた気がした。
それまで街を歩いてもその街にいる気がしなかった。
 
今日はBatuCave (バトゥ洞窟)にいくのだ。
バトゥ洞窟とは4億歳の石灰岩の鍾乳洞で、ヒンドゥーの聖地
洞窟は二つあって、一つはお参り用で観光客向けに開放されている。
もう一つは世界的にも希少な洞窟生物がいるので保護されている。
(ここも1000円くらい払えば入れる。)

行くには最寄り駅から10分タクシーに乗らなきゃならない。
タクシーは高い。
一日に使えるお金は2000円くらいなので、タクシーに乗ったら300円くらい飛んでしまう。
バスにしよう。
バスなら50円くらいで行ける。
ところがマレーシアのバスはとても複雑。
停留所に運行表もなければ、降りる時にアナウンスもない。
ガイドブックには「観光客にはまず無理だろう」とか書いてある。
どうする?
バス停を見つけて、そこにいる人に聞く。
間違ってるかもしれないから少なくとも3人に聞く。
そのバスが来たら運ちゃんに頼む「Please tell me when we arrive at Batu Cave! 」
運ちゃんが忘れたらまずいので、運ちゃんから見える席に座って、ゴソゴソしながら存在感をアピール。
ブラジルにいた時もそうしてた。
今回もうまくいった。





バスに揺られること20、絶壁が眼の前にあらわれた。
絶壁の中央には長〜い階段があって、その前に金色のLord Muruganというヒンドゥの神の像が立っている。
高さ42.7m。奈良の大仏の3倍だ。
入り口は観光客向けのナンセンスなおみやげがひろがっている。
さらにスピーカーから流れる安っぽい音楽が残念にさせる。
でもそこをくぐれば神聖さを感じる。
体がこわばるほどだ。
272段の階段を上ると鍾乳洞の入り口がある。
こぼれ落ちそうな鍾乳石に囲まれて、深い洞穴が口を開けている。
中には白い光が差し込んでいる。
光は地上で見るよりも透き通って見えた。
足を止めてスケッチをした。
絵を描き始めて間もない俺にはとても岩肌のすさまじさを表せない。
4億年の大地の運動に感服。








(鍾乳洞入り口に立つ神像、クジャクが横にいるので山の児童神ムルガンだと思われる。すんごく強いらしい。)

もう一つの洞窟でダークツアーに参加した。
ダークツアーでは珍しい洞窟生物を見ることができる。
ガイドは英語だ。
残念ながら専門的な単語が多くて俺の英語力では70%くらいしか理解できなかった。
理解できた範囲でお伝えする。
洞窟ではコウモリが生態系のエネルギー循環において大切な役割を担っている。
光の世界に唯一飛び出していけるコウモリは、虫を捕らえて食べて、糞をすることで微小な生物の栄養を確保することで、それらを養っているのだそうだ。
クモがおもしろい。
真っ暗な洞窟内のクモは幾何学模様の巣を張らない。
手当り次第やみくもに糸を張る。
巨大なタンスの裏のホコリをイメージしてもらいたい。
毛玉に近い形の巣を張り、エサとなる虫がかかるのを待つ。
暗闇の世界ではエサとなる虫も視覚を持たない。
そういうふうにこのクモは進化してきた。
地上の戦略はそのまま洞窟では通用しなかったというわけだ。
 
(分かりづらいけど、クモの巣の写真^^; 本当にホコリみたい)


洞窟内は上も下も壁面も白くて柔らかそうな鍾乳石に包まれている。
柔らかそうでも石だから固い。
4億年の間、岩から滲みでる悠久の雫が奇怪ともいえる鍾乳洞を形成ってきた。
この静けさの中では時間さえも息を潜める。

このダークツアーで神秘的な体験をした。
照度0の世界。
ガイドがカウントをとり、全員でライトのスイッチを消した。
照度0とは真闇。
つまり眼前の自分の手すら見えない世界。
何も見えなくなると、人間は様々な感覚のコントロールを失う。
自分の手がどこにあるのかもわからなくなる。
その空間に自分が溶けたように感じる。
般若心経の「無と有が同一」という一説を思い出す。
闇の中にいたけれど、闇に同化して消えていたような感じがした。
(人間には光が必要だ!) 

まだ日が浅かったので戻ってチャイナタウンの辺りを散歩した。
国立公園に向かって歩いていると、不思議な建物をみた。
白と青紫を基調とした作りで網目状の外壁、青紫のプールがあって、空にまっすぐ伸びた棟が立っている。
これは何だろう?
解読できそうな文字を探す。
National Moskの文字を見つけた。国立のモスクだった。



中を見学できるというので、靴を脱いで、Non・ムスリム用の紫色のガウンを借りて羽織る。
階段を上がると、また青紫を基調とする空間が広がる。
中の構造は直線的ですっきりしている。
どれがなんなのか分からずウロウロした。
人々が向かう大広間の前でもじもじしていると、感じの良さそうなおじさんがこちらにきて「きっとあなたをお手伝いできるでしょう」と握手をしてきた。
とても丁寧に、熱心に、かつフラットな視線でイスラム教について教えてくれた。
(本当は彼に聞いたことをここに書きたいけれど、もう少し人に話を聞いて、調べてからにする。)
礼拝堂には数人の人が壁に向かってお祈りをしていた。
ムスリム以外は入れない。
中は何もない広い空間で、時間を見つけて人々がメッカの方角に祈りを捧げにくる。
穏やかな、安らかな、厳かな・・・どんな形容詞がいいだろう、ムスリムは西側の壁に向かって、ヒザをつき、額をつき、呼吸をする。
そう、
 
 素朴で平和的だ。

pm6:30 見学終了。
モスクを出てさっきのおじさんが言っていたことを思い出して書き留めた。
やはり、難しい英語で全ては聞き取れなかった。
でもこうして書いておいて、もっとたくさんの人に話を聞いて虫食いを埋めていけばいい。





pm7:00コーランを読む声がスピーカーを通して響き渡ってきた。
歌のようであり、語りのような旋律が、夕暮れの摩天楼によく馴染む。


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