ティオマンにもう一泊することにした。
朝起きて朝飯を食いにトニーのレストランに行くと、ジョンさんとかんなさんがいた。
彼らに会うのは嬉しい。
彼らに会うのは嬉しい。
かんなさんはお母さん宛に手紙を書いていた。
字がすごく綺麗だ。
俺は字がひどいので、彼女の手ほどきを受けた。
箸の持ち方がイレギュラーなのを言い当てられた。
ペンのきちんとした持ち方は力が適切に流れるようになっているから「はね」や「はらい」を多用する我々の文字には合理的なのだそうだ。
なるほど。
字が綺麗になったら、きっと俺の人生は変わる。
かんなさんは手紙にヤシの木を描いていた。
「あつしに影響されて描きたくなったの」
嬉しい。
そこから絵の話になった。トニーもまじってきた。
トニーは俺のスケッチブックをぱらぱらめくると、
こっちに来いと俺を呼んだ。
後をついていくと、ちょっと古めの建物がそこにあった。
壁にはペンキで海の絵が描かれていた。
「これはずっと前にフランス人のアーティストが描いたんだ。」トニーは続ける。
「レストランの壁に何か描いてくれないか。」
ぎょえーっ!
お誘いはこういうこと。
1ヶ月くらいここにいてレストランの壁に絵を描く、一日数時間それをやってあとは好きに海で泳いだりしていい。宿と飯は確保してくれるという。
1ヶ月くらいここにいてレストランの壁に絵を描く、一日数時間それをやってあとは好きに海で泳いだりしていい。宿と飯は確保してくれるという。
これをやったらもうプロだよな。やりたい。
でも、スプレーやペンキを使ったことないから、ほぼ間違いなく壁を汚してしまう。
だから、トレーニングしたらまた来ると伝えた。
代わりにトニーのポートレートを描いてあげた。
人生で3枚目かな。そのわりにはうまくできた。
トニーは鼻が違うとかあれこれ言っていたけど、
気に入ってくれたようで、朝飯をタダにしてくれた。
絵で飯を食ったのだから、これで俺もプロの絵描きだ !
(男前、横綱ってどこかに描いてくれっていうからネッックレスにした。
まあ経験値の割には悪くないと思う-笑)
今日滞在して「船着き場」と「ジャングル」を描きたいと思った。
でも雨ではジャングルは描けなかった。
「船着き場」は以前下書きをしておいたのを仕上げた。
まあまあいいのが描けたと思う。
これだけコントラストのある光と影に向き合うと、
太陽が光と同様に影も支配してることを感じる。
ジャングルを描く時間が浮いたので、ギターを手に取る。
昨晩、集落にある数少ないバーで数曲披露して、フランス人のカワイコちゃんとお知り合いになった。彼女の英語は唇を尖らせて口先でポショポショッと話す感じの、いかにもフランス人ぽいアクセントで分かりづらかったけど、ハスキーな声が色っぽかった。
ギターは昨日よくがんばったので弦がすり切れてもうダメになっていた。
前に弦を取り替えたのっていつだっけ。
そんなことを考えながら替え弦を取り出す。
替え弦もすっかり古くなっている。
まあいいか。
しかし張り替えてすぐに4弦が切れてしまった。
まさかこの集落にギターの弦は売っていない。
あきらめよう。
夕飯は夫婦にご一緒させてもらった。
この二人はいいなぁ。
ずっと幸せに暮らすと思う。
俺はその日、彼らと同じものを食った。
彼らのなれそめを聞いて、ジョンさんの類い稀なる人生経験を聞いて、これからの旅の話をして、一緒にトランプをした。
新しいゲームを教えてもらった。シッティっていうのと、ロミーっていうやつ。
彼らに俺はかなり負けず嫌いに見えたらしい。
勝負ごとなんだから当たり前だよ。
そうこうして、店が閉まる時間になって、店を出た。
シャレーまでの道、上を見上げるとヤシの枝の間から星が見えた。
かんなさんはオリオン座と北斗七星だけ分かると言っていた。
俺がわかるのもその2つだけ。
シャレーにつくと、
またいつかどこかで会うことを約束して、さよならをした。
もし日本で会うとしたら半年後。
そのころ俺は企業で働いてるだろう。
彼らと俺を引き寄せてくれたCreativotyとFree Spiritを持てているだろうか。
彼らをがっかりさせたくないよな。
Good Bye
Good Bye
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